【簿記3級わかりやすく】現金過不足の仕訳問題の解き方 | 50代初心者の【簿記3級】合格体験記

【簿記3級わかりやすく】現金過不足の仕訳問題の解き方

第1問(仕訳)対策

この記事で伝えたいこと

・仕訳は現金過不足より先に現金を配置
・帳簿の現金額を実際の金額に合わせる
・現金とは反対側に現金過不足を配置

簿記未経験の50代会社員が、
独学2カ月で合格できたノウハウについて
紹介するブログです。

簿記3級試験は2021年からの新制度で、
第1問の仕訳問題の配点が45点となり、
2倍以上に増えました。

合格ラインの70点を獲得するには
この仕訳問題15問を全問正解する
必要があります。

仕訳問題の中で、分かり難いのが
現金過不足です。

私は、試験勉強の開始当初、
この現金過不足が苦手でした。

その理由は、現金過不足を貸方・借方
どちらに配置したら良いか迷ったからです。

しかし、ここで紹介する考え方を掴んだ事で
スッキリ理解することができました。

本記事では、その考え方を用いて
現金過不足の仕訳問題の解き方を
わかりやすく解説します。

現金過不足の仕訳の解き方

例題を使って説明します。

※1:「じっさいありだか」と読み、
  実際にある現金額の事。
   別名、手元有高(てもとありだか)とも言う

仕訳問題を解く時は、
現金過不足を借方・貸方どちらに配置するか
では無く、

現金を借方・貸方どちらに配置すれば、
帳簿の金額が実際の金額と一致する

を考えます。

現金は貸借対照表の左側(資産)に
あるので、仕訳でも左(借方)が
ホームポジションになります。

ホームポジションとは、仕訳において、
その勘定科目の金額が増える時の位置です。

詳しくは、下記記事を参照下さい。

なので、勘定科目の金額が減る場合は、
ホームポジションと逆の位置に配置
します。

このため、現金が増える時は
ホームポジションである左(借方)

現金が減る時は、
逆の右(貸方)に配置します。

例題では、帳簿上は¥1,000ですが、
実際は¥800しかない(現金不足)ので、
帳簿の現金額を実際の金額に合わせます。

つまり、帳簿の現金を¥200減らす為、
現金を右(貸方)に¥200配置します。

これで、帳簿上では、
左(借方) 右(貸方)
¥1,000  ー ¥200 = ¥800

となり、実際の現金額と一致します。

仕訳の右側(貸方)に現金が配置されたので
現金過不足は逆の左(借方)に配置します。



現金過不足が発生した時の仕訳

試験に出題される現金過不足の仕訳問題は
大きく分けて次の3パターンあります。

・現金過不足が発生した時
・現金過不足の原因が判明した時
・現金過不足の原因が不明の時

この3パターン別に、先程の考え方を基に、
問題の解き方を解説します。

まずは現金過不足の発生時です。

帳簿の現金額が、実際の金額と
一致しない事が判明した時に行う仕訳です。

先程の考え方を適用します。

帳簿より実際は¥1,000多いので
帳簿の現金を¥1,000増やす為、
現金を左(借方)に配置します。

左(貸方)は現金が配置されたので、
現金過不足は反対の右(貸方)となります。

現金過不足の原因判明時の仕訳

現金過不足の原因が
後日になって判明した時の仕訳です。

問題文から、現金過不足発生時の仕訳が
既に行われた後の話である事がわかります。

このため、ここでの仕訳では
現金が出てこないため、
「まず、現金を配置する」
の考え方が使えません。

そこで、過去にさかのぼって、
現金過不足が発生した時の仕訳を考えます。

現金過不足が「借方に計上」とあるので、
現金は、その反対の貸方(右)になります。

この仕訳で現金を減らしている事から、
帳簿上の金額が実際より多かった
と分かります。

次に、今回行う仕訳を考えます。

現金過不足の原因が判明したという事は
過去の仕訳で左(貸方)に配置した
現金過不足を相殺する必要があります。

このため、今回の仕訳では、
現金過不足を逆の右(貸方)に配置します。

この時、左(借方)は、本来行うべきだった
下記の仕訳

が抜けていた事になるので、
水道光熱費が入ります。

試験では、
現金過不足が借方/貸方どちらにあるか、
問題文に書いてない場合
もあります。

まずは、
現金過不足が発生した時の仕訳を考えます。

問題文より、帳簿上の金額が
実際より少なかった事がわかります。

帳簿より実際は¥1,000多いので
帳簿の現金を¥1,000増やす為、
現金を左(借方)に配置します。

左(貸方)は現金が配置されたので、
現金過不足は反対の右(貸方)となります。

今回行う仕訳は、現金過不足を
逆の左(借方)に配置して相殺します。

そして、反対側の空いている右(貸方)に
判明した原因である売掛金を配置します。



現金過不足の原因不明時の仕訳

現金過不足の原因が
決算日まで不明の場合は、
雑損雑益に振り替えます。

先程の原因が判明した場合と同様に、
現金過不足が発生した時の仕訳を考えます。

問題文の「不足額」とは、
実際の金額が不足していた事を意味します。

今回行う仕訳は、
決算日まで原因不明だった為、
現金過不足を雑益か雑損に振り替えます。

まずは、現金過不足発生時の仕訳で
左(借方)にあった現金過不足を
反対の右(貸方)に配置して相殺します。

次に、その反対側の左(借方)に入るのは、
雑益か雑損になります。

損益計算書において、
雑益は収益なので右側(貸方)
雑損は費用なので左側(借方)
になります。

つまり、雑益は右、雑損は左が
ホームポジションになります。

従って、この仕訳では
左(貸方)に入れるので雑損になります。

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