この記事で伝えたいこと
・2021年以前の情報は参考にしない
・筆記試験は計算用紙が非常に使い難い
・ネット試験はミスが少なく早く解ける
・ネット試験前に知っておくと有利な事
簿記未経験の50代会社員が、
独学2カ月で合格できたノウハウについて
紹介するブログです。
簿記3級は統一試験と呼ばれる筆記試験と、
パソコンを使ったネット試験がありますが、
私はネット試験を選んで正解でした。
でも当初、問題用紙に書き込めて解きやすい
筆記試験にしようと考えていました。
しかし、2021年度の大幅改定によって、
筆記試験は合格し難くくなった事を知り、
ネット試験を選んで一発合格できました。
本記事では、ネット試験が良かった理由と、
受験前に知っておくと有利な事を解説します。
古い情報を参考にしては駄目
2021年度から簿記3級試験は
問題構成と内容が大きく変わりました。
・試験構成の変更(大問5問→3問)
・試験時間の変更(120分→60分)
・計算用紙の扱い(問題用紙に綴じ込み化)

ここで注目すべき点は、
試験時間が半減しましたが、
問題数は半分に減っていない点です。
このため、従来試験と同じ速度で
解いていては、とても間に合いません。
正直言って、考えている時間は無く、
パターンに従い機械的に記入する感じです。
第1問の仕訳、第3問の財務諸表は
問題がパターン化しており、
過去問が解ければ全問正解できる内容です。
この2つを抑えれば80点となり、
合格ラインの70点をクリアできます。
第2問は勘定記入や伝票会計など
様々な種類の問題が出ます。
しかも、過去問に全く無い問題も出ます。
初めて見る問題を考える時間は無く、
しかも配点は20点と低いので無視です。
私は第2問を無視したので、0点でしたが、
第1,3問に十分な時間を確保したので、
77点で合格できました。
従って、仕訳と財務諸表の過去問を
徹底的にやるのが最も効率良い勉強法です。
以上の理由から、
古い参考書や、ネット情報で勉強しても、
無駄になってしまうので注意して下さい。
筆記試験が合格し難い理由
2021年からの改定で、
計算用紙の扱いが変更になった事により、
筆記試験が非常にやりずらくなりました。
計算用紙が問題・答案用紙に綴じ込まれ、
分離して使う事が出来なくなりました。
(計算用紙の分離は禁止)

計算用紙は末尾にある為、使用するには、
答案用紙を都度めくらなくてはなりません。
簿記2級も同様ですが、A3横長サイズなので、
片側だけなら答案用紙をめくらなくても使えますが、
3級はA4サイズなので、この手が使えません。
このため、時間がかかるだけでなく、
書き間違いや、計算ミスの元にもなります。
ただでさえ、試験時間が半減しているのに
これは致命的と言えます。
筆記(統一)試験の合格率の推移を見ると、
変更になった158回は合格率が大幅低下し
ネットで炎上する騒ぎとなりました。

その後、合格率は多少上昇しましたが、
回によって難易度が変わる為、
合格率は毎回かなり変動しています。
一方のネット試験は40%程度で一定です。

これは、ネット試験は問題データベースから
ランダムで選ばれるので、
受験者毎に違う問題となります。
このため、当たり外れはあるものの
合格率は平均化されるため安定しています。
以上の事から、筆記でもネットでも
問題に当たり外れはありますが、
短期間に何度でも受験できるネットなら、
合格できる可能性が高いと言えます。
ネット試験はミスを減らせる
ネット試験の長所は以下になります。
<計算用紙を自由に何枚でも使える>
筆記では使い難い計算用紙ですが、
ネットでは自由に何枚でも使えます。
受験した会場ではA4用紙2枚が配布され、
不足したら後から貰う事ができます。
A4用紙は両面使えるので、
2枚もあれば十分でした。
<金額の桁数入力ミスを防げる>
パソコン画面の回答欄に金額を入力すると、
3桁毎のカンマが自動表示されます。

試験で扱う金額は十万円以上が多く、
回答欄に入力する際、
ゼロの数を間違えやすい事から、
この機能は非常に助かりました。
<漢字をうろ覚えでもOK>
第3問の財務諸表を作成する問題では、
勘定科目名を記入しますが、
減価償却累計額、償却債権取立益など、
難しい漢字が多いです。
しかし、入力画面に書き込む際、
ひらがな入力で変換候補が表示されるので、
漢字がうろ覚えでも回答できます。
<残り時間が画面表示される>
電卓以外は全てロッカーにしまうので、
腕時計も含め、時計は持ち込み禁止ですが、
困ることはありません。
画面下に残り時間が表示されるため、
時計よりも分かりやすいです。

<自分のタイミングで試験開始できる>
筆記試験は全員一斉に開始ですが、
ネット試験は画面上にある試験開始ボタンを
クリックするまで始まりません。
なので、電卓や計算用紙の配置をする等、
全ての準備が整い、気持ちが落ち着いたら、
好きなタイミングで開始できます。
<回答の見直しが容易>
第1問の仕訳問題において、
筆記は回答欄にア、イ等の記号を書きますが、
ネットは勘定科目がプルダウンで選択します。

このため、回答欄は記号でなく、
勘定科目が表示されるので見直ししやすく、
記号の書き間違いも起こりません。
また、3桁カンマ表示も
チェックをしやすくしてくれます。
<その場で結果が分り、即再受験できる>
試験が終了した瞬間、すぐ合否が表示され、
大問毎の得点もわかります。
(筆記試験の結果発表は2週間後)
試験に落ちた場合、筆記試験は
2月・6月・11月の年3回なので、
勉強し直すとしても、4ヵ月は長すぎです。
モチベーション維持が大変だし、
覚えた事を忘れそうです。
ネット試験なら、
好きなタイミングで再受験できます。
すぐ再チャレンジしたい場合、
試験会場に空きがあれば、
3日目以降に再受験が可能です。
試験前に知っておくと有利な事
ネット試験を受ける前に知っておけば、
有利になる事について解説します。
<ネット試験に慣れておく>
ネット試験対応の問題集を買うと、
Web上で模擬試験プログラムを利用でき、
自宅PCでネット試験の練習ができます。

10回分のネット試験を試すことができ、
画面の見た目は本物そっくりなので、
繰り返し解いて操作に慣れると良いです。
<予約は1か月以上前にする>
ネット試験は希望の日時で受験できますが、
会場によっては、早くから予約で埋まる為、
1ヶ月以上前に予約した方が良いです。
私の場合、試験33日前に予約しましたが、
その5日後には予約で埋まっていました。
3日前までキャンセル可能なので、
とりあえず予約しておきます。
また、統一試験各回の前後に
10日間の施行休止期間があります。
(試験前1週間と後3日間)
また、統一試験の無い4月前半にも
2週間以上も休みがあるので注意です。
<試験に使う電卓に慣れておく>
使用できる電卓は四則演算のみ可能な
いわゆる普通のタイプです。
(関数電卓は不可)
ポケットサイズの携帯用でなく、
卓上タイプの方がキーが大きく
打ち間違いも発生し難いです。
私が使用したのは以下のタイプです。
早めに購入して、
勉強はその電卓を使うことで
慣れておきます。
また、筆記用具が持ち込み禁止で、
安物のボールペンが貸与されるので、
100均のもので練習しておくと良いです。
<会場で直前の勉強はできない>
試験会場に早めについても、
試験開始まで着席できないので、
直前の勉強はできません。

私が受験した会場は受付エリアは広くなく、
数個しかないスツールも受付記入用なので、
ここで待つことはできないです。
受付をしたら、ロッカーに荷物を預けて、
すぐに試験開始です。
私の場合、10:00の試験でしたが、
テストセンター開場の9時半まで外で待ち、
受付後の9:45に試験が開始されました。
時間によっては、予約時間まで入室できず、
テストセンターの外で待つことになります。
入室後は直ぐに試験開始となるので、
事前にトイレに行く等、準備を整えてから
テストセンターに入った方が良いです。
受験時刻の30~5分前に
会場に入るようにして下さい。
5分前までに入らないと受験できません。
また、受験者に送付されるメールには、
遅刻の連絡は不要と書いてある事から、
いかなる事情で遅れたとしても、
失格になると考えた方が良いです。
<試験会場で行われること>
受験までの流れは以下の通りです。
①受付で本人確認書類(免許など)を提示
②受験時の注意事項について同意書に署名
③私物をロッカーに入れる
④受験方法の説明を受けた後、試験室へ入室
⑤指定された席に着席後、
画面の開始ボタンをクリックして試験開始
試験室に持ち込める物のチェックは
かなり厳しいです。
私物は基本的に以下の2点のみです。
・本人確認書類(免許など)
・電卓(関数電卓、スマホは不可)
これ以外に、貸与されたボールペンと
計算用紙しか持ち込めません。
ポケットの中身を空にしていることを
確認されました。
ハンカチは広げて係員に見せ、
ポケットに入れてはならず、
机上に置かなくてはなりません。

花粉の季節だったので、
テッシュも持ち込みたい旨を伝えたら、
ポケットテッシュを必要な枚数だけ
ビニールから出して広げて見せて、
それも机上に置くように指示されました。
また、この会場ではヘッドホンがあり、
周囲の音が気になる場合は使えました。
<会場の設備、雰囲気など>
・パソコンはデスクトップ型だったので、
モニタは大きくて見やすかったです。
・パーテーションは机の部分だけついており
隣の手元が見えない程度でした。
・計算用紙が追加で欲しい場合など、
机にある呼び出しボタンを押すと
係の人が来てくれます。
・テストセンターは英検等の
簿記以外の試験も同時に行っており、
違う試験を受験する人と一緒でした。
・試験終了後、試験結果が表示され、
印刷ボタンを押すと、
受付で下記の結果用紙をもらえました。

・合格証書は送付されず、
結果用紙にあるQRコードから
合格証を自宅にて印刷できます。
・結果用紙が無くても、合格証書は、
ネット試験申し込み時に登録した
マイページから入手できます。

但し、点数の内訳は
結果用紙でしか手に入らない為、
試験終了時に印刷し忘れないように
注意して下さい。
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